アレルギー科
医療法人社団NSD
アレルギー科
当院では、アレルギー症状に関して血液検査を行い、結果に応じて適切な治療法を提案しております(就学前のお子さんは小児科での採血をお願いしております)。アトピー性皮膚炎の治療には新しい外用薬や内服薬、生物学的製剤と呼ばれる注射のお薬などが選択肢として加わってきております。ぜひご相談にいらしてください。
アトピー性皮膚炎は小児期(10歳未満)と成人期(20-45歳)の2つのピークを持つアレルギー疾患です。アトピーの診断基準は痒いこと、慢性反復性の経過を取ること(小児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上)、左右対称性の湿疹病変を呈することの3つを満たすことが条件となっております。アトピー性皮膚炎は屈曲皮膚炎とも呼ばれ、肘の内側や膝の裏側などの曲げる部位を中心に、繰り返す湿疹と皮膚の乾燥が見られることが特徴です。喘息のほか、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎のある家系に出やすい傾向があり、また、ダニや食べ物などのアレルギーが起きやすいのも、アトピー性皮膚炎の特徴です。
治療の中心はステロイド外用です。ステロイドの塗り薬に抵抗をお持ちの親御さんもいらっしゃると思いますが、症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使い、症状が軽くなったら薬を減らす、もしくは弱いものに変えます。当院では、「まずはステロイドを~日間塗って、次は~日に受診してください。」といったように、詳しく具体的にご説明いたしますので、どうぞご安心ください。
アトピーのお子さんの約60%は、血液検査をすれば5大食物アレルゲンのどれかに陽性を示すと言われておりますが、実際に食べてみて皮膚が悪化するのは10%以下と言われています。食物アレルギー検査が陽性だからといって、すぐに除去食にする必用はないのです。むしろ、小さいうちに少量から摂取することで食物アレルギーを克服することができると言われております。食べ物はお子さんの成長にとても大切なものですので、除去するか否かは、専門家と相談しながらにしましょう。
ステロイド外用剤でコントロールできない場合は医療用の紫外線照射の併用を行います。症状が改善するまでは週に1度照射し、症状が落ち着いてきたら照射間隔を延ばしていきます。当院でも紫外線照射器を導入しておりますので、照射可能です。また、成人(16歳以上)の中等症・重症のアトピー性皮膚炎の治療薬としてデュピクセントという注射のお薬もあります。これは生物学的製剤と呼ばれる、生物が合成する蛋白質を応用して作られた薬剤です。有効性が高く、皮疹は劇的に改善し、痒みからも解放されます。2022年頃からはJAK阻害剤と呼ばれる内服薬(リンヴォックなど)が登場し、こちらは12歳以上の中等症・重症のアトピー性皮膚炎患者の方が対象となります。しかし、1つ問題点があり、これらの注射や内服薬は薬剤費が高いことです。通常であれば、1ヶ月に4万円ほどかかります。加入している健康保険組合によってはそれよりも低い自己負担額で治療することも可能です。また、都内在住のお子さんであれば高校生までは自己負担なしで治療が受けられます。ご興味のある方は相談にいらしてください。
痒みが強く、膨疹と呼ばれる、わずかに盛り上がったミミズ腫れや地図状紅斑が数時間~24時間以内にできては消えていく皮膚疾患を蕁麻疹と言います。特発性と言って疲れやストレスからくるものがとても多いです。そのほかの原因は食べ物や内服薬、細菌やウイルスの感染など様々です。蕁麻疹のほとんどは1,2週間以内に治まる急性蕁麻疹ですが、中には6週間以上続く、慢性蕁麻疹のこともあります。View39などの血液検査を行いますが、原因が特定できないことが少なくありません。治療は抗ヒスタミン薬の内服を行います。
採血によるアレルギー検査で原因アレルゲンを調べます。アレルギーは決して珍しいものではなく、調べてみると何らかのアレルギーを持っているということも少なくありません。アトピーの方ではダニやハウスダストに対するアレルギーを示します。スギを始めとした花粉症やイヌやネコのペットに対するアレルギーの有無も検査で確認できます。
少しの採血量で、一度に39項目のアレルゲン〈アレルギー反応を引き起こす物質〉を調べられる検査が「View39」です。ハウスダストや花粉、食品表示義務7品目(卵・乳・小麦・そば・ピーナッツ・エビ・カニ)を含むアレルギー性疾患の主要な原因となるアレルゲンが網羅されています。
吸引系・その他 | |
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室内塵 | ヤケヒョウヒダニ、ハウスダスト |
動物 | ネコ、イヌ |
昆虫 | ガ、ゴキブリ |
樹木 | スギ、ヒノキ、ハンノキ(属)、シラカンバ(属) |
イネ科植物 | カモガヤ、オオアワガエリ |
雑草 | ブタクサ、ヨモギ |
真菌 | アルテルナリア(ススカビ)、アスペルギルス(コウジカビ)、カンジダ、マラセチア(属) |
職業性 | ラテックス |
食物系 | |
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卵 | 卵白、オボムコイド |
牛乳 | ミルク |
穀類 | 小麦、ソバ、米 |
甲殻類 | エビ、カニ |
豆類 | 大豆、ピーナッツ |
肉類 | 鶏肉、牛肉、豚肉 |
魚類 | マグロ、サケ、サバ |
果物 | キウイ、リンゴ、バナナ |
その他 | ゴマ |
スギ花粉症でお困りの方を治す可能性があるアレルゲン免疫療法の一つとして効果的な手段です。スギ花粉症に対する治療法の一つとしてとして近年確立された方法です。アレルギーの原因物質を舌の下側に投与して粘膜から少しずつ体内に吸収させます。治療を継続することで症状を和らげていきます。
治療期間 | 長期間(3~5年)、継続的に毎日1回行う必要があります。 投与量は、最初の1週間は2000JAU錠を、2週目以降は5000JAU錠を内服していただきます。 |
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方法 | シダキュアはスギ花粉から抽出したエキスから作られています。シダキュアを舌の下に1分間保持し、その後に飲み込みます。初回はクリニック内で飲んでいただき、約30分間副作用が出ないか観察します。2回目以降は毎日自宅で投与していただきます。 |
効果 | 舌下免疫療法はすぐに効果の現れる治療ではありません。アレルギーの原因物質を少しずつ体内に取り込み、免疫を整え、体質を改善する治療となります。そのため治療期間が長くなることはご理解ください。また、100%の患者さんに有効とは言えません。さらに、途中でやめた場合にも効果が期待できません。 |